2022.07.28
相続登記をしなかった場合に起こること
相続が起こった場合、不動産の相続登記をするといった認識は日本国民の全ての方々がお持ちになられているわけではございません。
だからこそ、相続人が不明で所有者が不明である不動産がたくさん存在することが問題視されているのです。
相続登記をしなかった場合の一例を見てみましょう。
登場人物は亡き夫X、妻Y、子A、子B、子Bの友人Cです。
夫Xが土地を遺し、お亡くなりになりました。相続人は妻Y、子A、子Bです。しかし、妻は子ども達に遺された土地を譲るために遺産分割協議で子Aと子Bに、
「私はこの土地はいらないから、お前たちで仲良く分けなさい。」
と言いました。すると子Bは、
「僕は弟だからお兄ちゃん(子Aのこと)に4分の3あげるよ!僕は4分の1だけでいいよ。」
と言ってめでたく遺産分割協議がまとまりました。しかし、子Bはなんと子Aに内緒で友人のCに土地を全部を売ってしまいました。
遺産分割協議で土地の持分はAが4分の3、Bが4分の1と決めたのですから、Bの行為はルール違反です。
Cはさっさと自分名義の土地の所有権移転の登記を済ませてしまいました(その前に亡夫Xから子Bへの所有権移転の登記が必要になります)。そこで怒ったのは子Aです。自分がてっきり残された土地の4分の3を所有していると思っていたのに、勝手に子Bに、Bの友人Cに土地を全部売られた上に所有権移転の登記までされてしまったのですから。
子AはCに言いました。
「その土地は4分の3は俺のものだ。全部自分のものだと思うなよ!」
常識に考えて子Aの主張は正しいですよね。しかし、法律的にはどうなのでしょうか。
答えは、子AはCに対して法定相続分である持分4分の1しか主張できません。
遺産分割協議や遺言などで、本来の法定相続分よりも多く相続したとしても、登記なくして第三者に対して主張できるのは法定相続分だけなのです。
ですので、子Aは遺産分割協議が成立した時点ですぐに持分4分の3の所有権移転登記を申請するべきでした(もちろん子Aは、子Bに対して訴訟などの手段を用いて損害賠償等を請求することは可能です)。
相続に限らず、不動産の所有権が移転した場合、登記をすぐに申請することをお勧めします。
実態と異なる登記が存在することは、トラブルの原因にもなりかねません。
カテゴリ:相続について
だからこそ、相続人が不明で所有者が不明である不動産がたくさん存在することが問題視されているのです。
相続登記をしなかった場合の一例を見てみましょう。
登場人物は亡き夫X、妻Y、子A、子B、子Bの友人Cです。
夫Xが土地を遺し、お亡くなりになりました。相続人は妻Y、子A、子Bです。しかし、妻は子ども達に遺された土地を譲るために遺産分割協議で子Aと子Bに、
「私はこの土地はいらないから、お前たちで仲良く分けなさい。」
と言いました。すると子Bは、
「僕は弟だからお兄ちゃん(子Aのこと)に4分の3あげるよ!僕は4分の1だけでいいよ。」
と言ってめでたく遺産分割協議がまとまりました。しかし、子Bはなんと子Aに内緒で友人のCに土地を全部を売ってしまいました。
遺産分割協議で土地の持分はAが4分の3、Bが4分の1と決めたのですから、Bの行為はルール違反です。
Cはさっさと自分名義の土地の所有権移転の登記を済ませてしまいました(その前に亡夫Xから子Bへの所有権移転の登記が必要になります)。そこで怒ったのは子Aです。自分がてっきり残された土地の4分の3を所有していると思っていたのに、勝手に子Bに、Bの友人Cに土地を全部売られた上に所有権移転の登記までされてしまったのですから。
子AはCに言いました。
「その土地は4分の3は俺のものだ。全部自分のものだと思うなよ!」
常識に考えて子Aの主張は正しいですよね。しかし、法律的にはどうなのでしょうか。
答えは、子AはCに対して法定相続分である持分4分の1しか主張できません。
遺産分割協議や遺言などで、本来の法定相続分よりも多く相続したとしても、登記なくして第三者に対して主張できるのは法定相続分だけなのです。
ですので、子Aは遺産分割協議が成立した時点ですぐに持分4分の3の所有権移転登記を申請するべきでした(もちろん子Aは、子Bに対して訴訟などの手段を用いて損害賠償等を請求することは可能です)。
相続に限らず、不動産の所有権が移転した場合、登記をすぐに申請することをお勧めします。
実態と異なる登記が存在することは、トラブルの原因にもなりかねません。